突然ですがなぜ学校には桜の木がたくさん植えられているのでしょうか?
どうも、桜は国花だから公共の場所で植樹が奨励されたんでしょ? というだけの話ではないようなんです。
それでは参りましょう。
潔さと勇敢さの象徴の桜?
校庭に桜が植えられるようになったのは明治時代になってからです。明治政府は教育政策の基礎を国学に求めたんですね。
そう、本居宣長です。
彼の歌のひとつに「敷島の大和心は人問はば朝日ににほふ山桜花」という歌があって、それが広く親しまれていたという背景がまずあったんです。そこに目をつけたのが旧日本軍でした。
パッと咲いてパッと散る桜は、日本のためなら命を惜しまず敵陣に突っ込んでいくことが求められる軍人のイメージと良く合っていたんですね。
最初に提案したのは陸軍だったそうです。こうして各地の陸軍兵舎に桜が植えられていったんですね。
さらに、日清戦争、日露戦争の勝利によって軍部が力を持つようになると子どもたちにも桜を通して軍人精神が教え込まれるようになったんです。
こうして、学校の校庭にも桜が植えられるようになったんですね。
入学式のための花は桜です!
ちゃんと国の通達内容にもかかれるようになりました。
旧文部省の通達で、教育施設に植えるべき樹種についての文言があって、その中には校庭に植えるべき樹種は「学校行事の際に開花するなどの記念樹的要素があるもの」にするように書いてあります。
これ、卒業式、入学式という一大イベントのときに開花する記念樹となると、いままでの経緯から桜しかなかったんだろうな、という感じです。
他に創立記念日頃に開花したり紅葉したりする樹種を植えている学校ももちろんありますが、やはり桜が一番多いですよね。
GHQもすすんで桜を植えさせた
第二次世界大戦は本当に悲惨なものでした。戦後直後は、日本国民はみんなつらい時期だったといいます。
そんな中、戦後の緑化と復興を目的として、財団法人日本花の会は1962年~2007年の間に220万本、また日本さくらの会では1998年~2008年までの間に100万本の桜の苗木を生産育苗したんですね。
これらを公共の場所を優先して無償配布しました。
結果、無料ということで、卒業生の記念植樹などにもこの桜の苗木が選ばれた経緯があります。
こんな事情があったことも、最後に付け加えさせていただきます。
いかがでしたか? まとめると、元々の軍部の方針の土台の上に、戦後復興の案が校庭を桜だらけにする風習に拍車をかけた、と言えそうですね。
もともとの由来に軍隊が絡んでいるとなると、なんだか記念撮影をするにも、ちょっと気がひけちゃいますね。